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連載 私のオリンピック・パラリンピックの思い出

辻本達規(BOYS AND MEN)

第6回のゲストは、東海エリア出身・在住のメンバーで構成されたエンターテイメント集団「BOYS AND MEN」(通称ボイメン)の辻本達規(たつのり)さん。2010年よりライブや舞台でのパフォーマンスを中心に活動を始め、2016年には第58回日本レコード大賞新人賞を受賞。ソロとしてドラマや映画、バラエティなどで活躍するかたわら、スポーツ番組への出演や少年時代から続ける野球に関する雑誌連載を持つなど、スポーツマンとしても知られている。類まれな身体能力と持ち前の明るさでさまざまなスポーツや企画にチャレンジする辻本さんに、エンターテイナーとして見たオリンピックへの思いを語ってもらった。

第六回 明日からも頑張ろうと思える、そんな力がオリンピックにはある

2021/07/09


東京2020オリンピック直前の7月10日(土)・11日(日)に日比谷野外大音楽堂で行われる、スポーツマンシップと音楽が共振するイベント「EJミュージックデイズ2021」の10日公演に出演予定のボイメン・辻本さん。昨年末に新型コロナウイルスに感染するも、今年4月には地元・岐阜羽島で行われた聖火リレーに参加し、思いをつないできた。そんな辻本さんが感じた、聖火ランナーとして走る理由、オリンピックの意味とは?

コロナ禍で聖火ランナーとして走る意味がより明確に

――辻本さんは4月4日に岐阜県羽島市で聖火ランナーの大役を務めました。

辻本達規(以下・辻本) 僕はずっと地元・岐阜羽島のためになることをやりたいと思って活動してきました。だからこの話をいただいた時はすごくうれしかったですし、地元への恩返しになるのではないかと思って走ろうと決めました。コロナ禍なのでいろいろな判断はあると思いますが、僕は少しでも誰かのプラスになってくれたらいいかなと思っていたので、辞退しようって気持ちはなかったですね。もちろん、感染症対策に気を付けることが大前提です。

――コロナ禍でオリンピックに対する世の中の空気も一変してしまい、辻本さん自身も新型コロナウイルスに感染…。コロナの前後で聖火ランナーとして走る気持ちに変化はありましたか?

辻本 コロナ禍になって僕が思うのは、楽しいことが少なくなって、何を目標に、何に希望を持っていいのか見えなくなっている人が多くなっているんじゃないかなと感じます。現在、世の中はまだまだ大きな不安に覆われています。でも僕がこの仕事をしている以上、できるだけたくさんの人を元気にしたいと思ってやってきました。そういった意味では、走る目的がより明確になったと思いますね。

聖火ランナーって走るだけと言ったらそうなんですけど、聖火を間近で見られる機会なんてなかなかないので、やっぱり楽しみにしてくれている人がたくさんいて。オリンピックへ向けて、ちょっとでも希望や目標を持ってくれたり、一体感を感じ取ってくれたらいいなと思っていました。僕自身も、沿道やオンライン越しに応援してくださるみなさんから、たくさんのエネルギーをいただきました。

――実際に聖火を掲げて地元を走って、どうでしたか?

辻本 僕は市民の森羽島公園というところを走ったんですが、偶然にも中学校の時の先生がスタッフとして現場に入っていて、「久しぶりやな〜」って声をかけてくれました。懐かしかったですし、うれしかったですね。中学の時は怒られてばかりだったけど、僕の今までの活動を見てくれていたみたいで、すごく喜んでくれていました。ちょっとだけ、先生にも恩返しができたかなって思います。あと、野球をやっていた時のチームメイトが県の職員になっていて、現場で久しぶりに再会しました。しばらく会えていない地元の友達とかからも連絡が来たりして、聖火が人と人との縁をつないでくれましたね。

侍ジャパンは大野雄大投手の復調に期待

――いよいよ、東京2020大会の開幕目前です。辻本さんは高校まで野球部で今も草野球チームに所属されていますが、やはり注目の競技は野球ですか?

辻本 草野球は今朝もやってきました! 今は6つのチームに所属していて、週に4・5試合出ています。僕は野球以外にもスポーツ全般がすごく好きなので、オリンピックは本当に楽しみです。トップレベル選手たちが本気で戦う姿を、しかも日本で見られるというのは、テレビ画面を通してでもすごく魅力的だし、ワクワクします。野球は夢のようなメンバーで戦うので、どんな戦いを見せてくれるのか、今から興奮しています。

――注目している選手はいますか?

辻本 誰が先発の軸になるのか、気になりますね。実績のある田中将大投手はもちろん、若手の山本由伸投手や、森下暢仁投手も勢いがあります。稲葉(篤紀)監督がどういう考え方で挑むのか、野球ファンとしてとても楽しみです。

――辻本さんの所属するBOYS AND MENが応援歌を歌う中日ドラゴンズの大野雄大選手も選出されています。

辻本 大野雄大選手は2020年シーズンに沢村栄治賞(完投型先発投手を対象として贈られる特別賞)を受賞している剛腕ですが、今シーズンはなかなか勝ちきれない時期が続いていました。僕もお会いしたことがありますが、大野さんは明るい性格でムードメーカーでありながら、繊細さも持ち合わせている人間性もすばらしい選手。オリンピックに向けてどれだけ調子を上げていけるか、期待しています!

――野球は2008年の北京大会以来、3大会ぶりの実施となります。前回大会では現監督の稲葉さんも選手として出場していましたが、メダルには手が届きませんでした。

辻本 北京大会は当時18歳くらいだったので、覚えています。レジェンド級の豪華メンバーで挑んでも、ちょっとしたことで噛み合わなかったり、流れに乗れなかったりする。実力だけなら日本は間違いなくメダルを取れるチームですけど、オリンピックは一筋縄にはいかない難しさがあるんだと思います。

――今回の東京2020大会で初めて侍ジャパンを見る人もいると思います。野球の魅力や観戦ポイントを教えてください。

辻本 ストレートに、「日本の野球は強い!」です。世界は本気で日本を倒しにきますが、そんな相手に対して、日本は打力でも技術でも上回ると思うので、そこを見て欲しいですね。パワーではない細かな技術とか、そつのない走塁。日本ってこんなに強いんだって誇りを持てる試合を稲葉ジャパンは見せてくれると思います。

オリンピックの開催に関していろいろな意見があることは承知しています。でも、試合を見て、勇気や元気をもらえて、明日からも頑張ろうと思えるような、オリンピックはそういう力をもっています。世界的な困難に立ち向かっていくために必要なバイタリティ、頑張ろうって思える気持ちを、このオリンピックで得ることができるんじゃないかなと思います。

――野球以外で見ている、注目しているスポーツはありますか?

辻本 陸上とか体操とかはやっぱり見ていましたね。最近はオリンピックに向けていろいろな競技にチャレンジする企画が多かったので、実際に体験することで興味のある競技は増えましたし、見方が変わってきますね。

フェンシングは一昨年くらいに、リオデジャネイロオリンピック代表の見延和靖選手から教えてもらいました。番組の最後に対戦して、見延選手の優しさで僕が一本を取ることができたんですよ。その後、見延さんは世界ランキング1位になって、そこからよく見ていますね。応援しています。

あとは、今大会の新種目でもあるバスケットボールの3x3ですね。番組の企画で3x3プレーヤーの岡田麻央さんに教えてもらったんですが、試合展開がスピーディーで目まぐるしく得点が入るので、すごくエキサイティング。ルールに詳しくなくても、見ていて楽しめる競技だと思います。

応援してくれる人が目の前にいることが力になる

――辻本さんも今までは多くのお客さんの前でパフォーマンスを行ってきましたが、コロナ禍でライブも中止や延期に。気持ちや行動に変化はありましたか?

辻本 僕らの活動はお客さんが全くいないところからスタートしているので、お客さんの大切さをずっと感じながらやってきました。特にこの1・2年は、お客さんがいることのありがたみを身に染みて感じています。僕もライブをオンラインでもやりましたし、半分の客数での劇場でもやりました。その時できることを全力でやってきました。かつては満員の日本武道館とかでもやっていたので、お客さんがくれるパワーの大きさはよくわかっています。やっぱり、応援してくれる人が見えるところにいるっていうのは、心強いですね。

――BOYS AND MENは7月10日に日比谷野外大音楽堂で行われる、世界のアスリートたちへ音楽でエールをおくるライブイベント「EJミュージックデイズ2021」に出演します。

辻本 みんなで声を出して盛り上がったり、声援を送ったりするのはまだまだできない状況ですが、言葉に出さなくても想いや熱意は伝わってきます。このような状況下でも来て、応援してくれるファンの方々に感謝しつつ、みなさんに会えることを楽しみにしています。

しかも今回は、今まで一緒にやってきたアーティストと一緒にコラボしてライブを作れるという点で、すごく楽しみです。今までは当たり前だったけれど、会って一緒に何かをするってうれしいことですね。その上、僕たちにとって初の野音(日比谷野外大音楽堂)なので、メンバーみんな気合が入っています!

――最後に、ファンにメッセージをお願いします。

辻本 楽しいことだったり、いろんなことが制限されるなかで、このライブの時間だけはみんなを別世界、楽しい世界に連れていきたいなと思っています。声は出せないけれど、心を解放して、この時間を楽しんで欲しいです。みんなで同じ時間を共有するということの大切さが身に染みてわかるようになったので、アツい思いを共有して、最高の時間を作りたいなと思っています。一緒に一番アツい野音にしましょう!



取材・文=本間奈保子/撮影=大石隼土


辻本達規(つじもと・たつのり)

1991年5月17日生まれ、岐阜県出身。2010年にBOYS AND MENに加入してデビュー。
メンバーカラーは赤。「潜在能力テスト」「炎の体育会TV」「究極の男は誰だ⁉︎最強スポーツ男子頂上決戦」など、秀でた運動能力とガッツで、バラエティやスポーツ番組でも活躍している。


関連書籍
東京2020オリンピック公式ガイドブック
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発売日:2021年6月30日(水)
定価:1,980円(本体1,800円+税)
判型:A4正寸
ページ数:190P

書籍詳細